第二回貸付契約の経緯と内容

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・貸付契約の経緯と内容

森友学園と国の取引は、森友学園の要請に応じ、国が豊中市の国有地を森友学園に貸し付けることから始まる。

貸付契約(以下抜粋)には、5本の土地調査報告書が明記され、それらを森友学園が了承すると合意されている。※甲乙には契約当時者名を、資料には資料番号を付記

本貸付契約は、土地の事業用定期借地権の設定を目的とした借地契約と明記されており、併せて契約満了前の売買予約特約がついている。本契約の5条には土地に関する複数の調査報告書が列記されており、それらを森友学園が了承し、本契約が締結されている。

3mの記載はなく、OA301地下構造物状況調査報告書(平成22年1月)のレーダー探査はGL-3mの範囲で実施されたが、探査結果において埋設物があると判断された場所のうち68箇所を実際に試掘し、地山深度(地下埋設物がなくなる深度)まで掘削調査を行い、地点によっては3.3m程度まで埋設物の存在が報告されている。OA301土壌汚染深度方向調査(平成23年2月)では、柱状ボーリングも行っており、地点によっては3.5m程度まで埋設物があることが報告されている。

なおこれらの事実を踏まえたうえで、すべての柱状ボーリングにおいて、概ね3m以深は、どれもが沖積層を示しており、これらの事実は森友学園及び国に共有された土地性状となっている。

したがって本貸付契約の土地評価報告書に記載がある内容は、借主である森友学園に了承されており、契約解除や損害賠償請求の対象にはならない。

逆に云うなら、これら一連の土地評価報告書から想定しえない場所から埋設物が出ない限り損害賠償や契約解除を国に請求することはできない。

すなわち本件契約の損害賠償の基準はこれら土地評価報告書の内容ということになる。

①「土地履歴等調査報告書 平成21年8月」は本件土地がどのような経緯を経ているかの履歴を示したもの。

②「平成21年度大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査業務報告書(OA301)平成22年1月」は、本件全体に関係しており、本件土地をレーザー探査し、何処にどのような埋設物等があるかを調査し、更にその調査に基づく土地の68箇所を実際に試掘し埋設物の存在を報告している。

本件報告書は、売払時の国有財産売買契約書にも明記されるほか、売払時までの三件の不動産鑑定書において評価項目(減価要因)として記載されている。

④「平成23年度大阪国際空港場外用地(OA301)土壌汚染深度方向調査業務報告書 平成23年2月」は、前記②同様に国有財産売買契約書に明記されるほか、売払時までの三件の不動産鑑定書において評価項目(減価要因)として記載されている。

③「大阪国際空港場外用地(OA301)土壌汚染概況調査業務報告書 平成23年11月」は、②同様に国有財産売買契約書に明記されるほか、売払時までの三件の不動産鑑定書において評価項目(減価要因)として記載されている。

上記のように国有財産有償貸付合意書記載の5本の本件土地に係る報告書が、鑑定価格を含めた一連の土地評価基準を構成していることが分かる。

本紙は、国交省大阪航空局が行った算定見積記載の「構造物状況調査報告書=②」を詳細に分析、約500頁ある報告書の「調査解析結果(試掘結果)」並びに「地中レーダー探査データシート及び解析断面図」を照合し、どの場所にどのような埋設物の存置があるのかという報告を踏まえ、土地改良業者や校舎建設業者の示した試掘写真等の資料評価を行った。

地中レーダー探査は、測線という探査ラインに沿って(ちょうどグラウンドに白線を引くように)地中に電磁パルス(対象探査のため複数の周波数で)を送信し、その反射波を測定することで、地中にある異なる性質の埋設物等を探査する方式。現在では、深度数メートル迄

の精緻な探査が比較的安価にできるようになっており、別に掘り起こさなくても分かる。

本方式では盛土層・埋土層のような層と沖積粘性土層で反射波に相違がある。

測線ラインに沿って探査装置を移動(縦断探査)させ、埋設物の存置が認められる場所を、横断探査し、特定された場所68箇所を試掘し、この際に埋設物が連続している地点は、地山深度(埋設物がなくなる深度)まで掘削し確認報告している。

つまり、本調査報告と相違する埋設物報告は、説明を要すことになる。

すなわち5本の土地調査報告書は、本件事件の指紋のような意味合いを有する。

したがって指紋と異なる話を持ち出される場合、ご説明頂くことになる。

証言は利害によって左右するが、科学的事実は動かないからである。

同時に虚偽記載が犯罪となる公文書の記載も同様に動かないことも述べておく。

そのうえで、乙(森友学園)は、「地下埋設物の存在及び土壌汚染の存在等を了承」し、かつ、「本件報告書等に記載のある汚染物質、地下埋設物等の存在及び形質変更時要届出区域の指定を理由として、瑕疵担保責任に基づく本契約解除及び損害賠償請求並びに貸付料の減免請求等を行わないことを、甲(国)に対して約する。」と合意されている。

第二回了

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